星の王子さま

星の王子さま―オリジナル版

星の王子さま―オリジナル版

新訳 星の王子さま

新訳 星の王子さま

読了。
訳書だから、読み比べてみたいな、と思って2冊にした。
フランス語は無知なんだもん。


当たり前のことですが、同じ話でも訳者によってずいぶん変わりますね。
内藤さんの方が、こう、優しく語り掛けるような文体で、
倉橋さんのほうが、ご本人もあとがきで述べているように、大人を対象とした少し堅い文体でした。
この星の王子さま、私は大人*1になったいま初めて読んだけれど、充分楽しめました。
狐の「きまり」のくだりには、そうだよなあ、とうなずきっぱなしでしたし。


お2人の訳の違いを、ここに少し抜粋しておきます。

だから、みなさんは、おとなたちに、計算なさい、とおすすめなさい。おとなたちは、とても数字がすきなんだから、そういったら、よろこぶでしょう。でも、皆さんは、そんなよけいなことで、ひまつぶししてはいけませんよ。どっちみち、なんにもならないことなんですからね。そうでしょう?

それなら彼らに自分で見積もりをさせてみるべきだ。彼らは数字が大好きだし、喜んで計算するだろう。しかしこんな余計なことに時間を費やしてはいけない。必要のないことだ。私の言うことに間違いはない。

上のが内藤さん、下のが倉橋さんの訳です。
ちなみに、私が使ってた数学の教科書に、内藤さんの訳の方でこの文章が載ってました。数学の教科書にですよ(笑)

*1:成人ではないけれど大人ということにしておこう