唐突に

前にちょっと考えてたこと。
私が異文化理解、っていうと大袈裟かもしれないけど「異なるものを受け入れる」ことを考えるときに
真っ先に思い浮かべるのが石田衣良『Last』の一編『ラストコール』に出てくるメグミなんです。
読んだことがある人ならわかるように、ちょっとエロい話なんですが。
あれです、ペットボトルに入れて渡したっていう、あのくだり。


メグミはちょっと変わった性的嗜好を持つ人を前にして、
その嗜好そのものは嫌がってたかもしれないけど、
その人は自分と会うのを楽しみにしてたんだろうなとか
こうしてあげればいいんじゃないかとか
いろいろ考えてそれを実際にしてあげたんですよね。
主人公も言ってたように、そこがメグミのいいとこなんだと思う。


相手の思考や気持ち、その背景はわからないかもしれない。
多分、ずっとわからないものなんだ。
でも、こうして相手のことを考えて、
自分なりにできることをとにかくやってみる。
それがなにより大事なことなのかな、と思うんです。


自分にはわからないってことを前提にして、自覚して、
そのうえで相手との関係を築いていく、そういうこと。


私は相手の文化とか環境とかにどっぷり浸かるのは
あんまり良くないと思うんですよね。
いちいちそんなことしてたら、自分のアイデンティティがなくなっちゃうから。
まず確固たる自分を持たないと。
それが結構難しいんだよな〜。