告白

告白

告白

読了。
またすごい小説が読めた。
以下ネタバレ。
















HIVに関しては、賛否両論、というより非難の方が多いみたい。
確かに殺人の道具にしたのはどうかと思うけど、
兵器にされたのは人間でなくウイルスで、
未だに偏見が世の中にあるんだということの表れなんだと思えばちょっとは理屈をつけられたかな、と。
まあ馬鹿ほど理屈がうまいと作中にもありましたが(苦笑)。


読めばダークな気分になるという覚悟はしてた。
実際読んで、どこまでも救いようのない出来事ばかりで。
それぞれの章の語り手はともかく、最後の爆弾で巻き添えになった人とその周りの人々は気の毒で仕方ない。
もし第七章まであるとしたら、今度はもうすぐ一児の父になるはずだった審査員の経験がある教授が語り手になりそうだね。


それぞれの章の語り手を甘ったれた寝言だ無責任だ身勝手だと冷静にぶった切る森口の口調は
読んでいてどこか痛快だった。



『心臓じゃない。髪こそが命の源なのだ』
短歌だかコラムだかで、入院している人が放っておいても爪だけは伸び続ける、
それが時間が流れている証であり自分が生きていることだ、という旨を言っているのがあったな、と思い出した。



『無責任な愛情』
限りがあってもなくても、愛情に責任はつきまとうらしい。



『あなたの気持ちは母親にだけしか向いていないのに、被害を被るのはいつも、母親以外の人物です』


『彼女だけが、唯一、疑ってかかり、事実を確認していた』
LIAR GAMEで秋山は「疑う事は、相手を知ろうとする事」と言っていたな。


『つらいことは書いて忘れなさい』
書き留めておくことって、覚えておきたいことだけじゃないんだ。



メールの送り主は、森口?
Cは、誰?そもそも、Cはいたの?