外国人力士はなぜ日本語がうまいのか

(数日前に)読了。
読み終わってみて、やっぱり語学っつーか言葉そのものはツール(道具)にすぎないんだ、とあらためて思った。
力士の方々は、日本語を覚えにきたわけじゃないからね。
相撲界の独特な環境(タニマチとか、極端なウチソトとか、後援会とか)は初めて知った。
ほんとに、日本漬け(日本語漬け)になる環境が整ってんだ。
相撲を覚えていく中で、日本語が話せるようになるのは必要不可欠な要素だから、
失敗を繰り返しながらも覚えていくんだね。
本の中での兄弟子たちのイタズラは笑えたなあ。
たとえば、


いいか、
『電話で「もしもし」って言われたら「亀よ」って答えるんだぞ』


電話の向こうの相手困るから!!!


いや、電話かけて、ひたすら「亀よ」って繰り返されても!!
この光景を想像すると笑いがとまりません。ひゃー。素晴らしい。


それにしても、力士さんがほとんど辞書を使っていないのにはびっくりした!
でも周りに言葉遣いを注意してくれる人がたくさんいるから必要ないっちゃないのか。


これ、日本語教師の勉強の一環としての教養のつもりで読んだけど、
英語や中国語を勉強している外国語学習者としても学ぶべきことがたくさん書かれていました。
語学に携わる人は読んでおいて損はないです。


日本語ペラペラな力士さんたちも、ずっと日本にいるとやっぱり日本語にどっぷり浸っちゃうから、
自分の母語があやうくなってきてるらしい。
(おそらく)生まれてからずーっとずーっと使ってきた母語をだよ!!???
予想してなかった訳ではないけどショックだった。
たまに母国にいる親とかとしゃべっててもパッて母語が出てこないときがあるんだって。
うーむ、それは由々しき事態なり(どんな口調だ)。
言葉は使ってなきゃ錆びついてしまうってことがよく表れてますね。
バイト先の中国人君も「最近中国語はなすのがにぶってきた」とか言ってたし。
私はこれから外国に長期留学する予定も外国に就職するつもりもないけれど、
世界のどこにいっても日本語は失くしたくないって強く思う。
だって日本人だもん。
自分の中から日本語がなくなるなんて考えられない。
まあ今でさえたまに日本語があやしくなったりするけど(こら)。
バイリンガルへの道は険しそうだ。


唐突に思い出したから書くけど、
社会人の方に「いつ就職なさったのですか?」と聞きたかったのに
「いつ就職いたしたのですか?」ととんちんかんな敬語を使ったことがあります。
そしたらその人「えー、就職いたしたのはですね…」と苦笑いしながら答えてました。
恥ずかしいっつーの!!!!
こんな言葉遣いのハタチの女の子です。敬語も慣れだな。使う機会そんなにないもん。